戸田建設・滝沢氏 インタビューその4|全体最適の中で個々の評価をどうする?

戸田建設の滝沢さん(建築本部 コスト管理センター 建築購買1部 次長)にお話を伺いました。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)

全体最適の中で個々の評価をどうする?

横田
建築業界の調達には特徴的なものがあると思います。設計、積算などの話が出ましたが、さらにメスを入れるとしたら、調達を飛躍させるために必要なテーマは他にありますか。

滝沢
やはり、受注契約をする前の段階から調達グループが関与できるかどうかが大切になってきます。
企画・設計にも情報提供の面で参画し、結果として受注に結び付けることが求められるでしょう。 

ただ、コスト削減を限界までフロントローディングした場合、着工後の大幅な原価向上は見込めなくなるため、施工部門のコストについての評価を今までの尺度と変える必要が出てくるかもしれません。
建設業で現場はある意味一つの事業所になるので常に結果が求められています。
事業主としてコスト管理や利益獲得も受け持たないといけません。

横田
「こうすれば全体最適になるからやってみよう」といっても断られることもあるのでしょうか。

滝沢
あり得ます。全体最適を頭で理解していても、自分の努力をどこで評価してもらえるのか心配する気持ちもあるでしょう。

横田
われわれサラリーマンは会社の規模が大きくなればなるほど評価の中で生きていますものね。

滝沢
でも、本当に全体最適をしたとき、どこで個々を評価すればいいのでしょうか。

横田
役員研修を運営していると、いろいろな事業部の役員が新任でやってきます。全体最適を考えるかどうかについて酒の席などで問いかけてみると、自分の部署が赤字なら発言権がないという話をよく聞きました。
トップや副社長クラスに同じ問いをしてみると、副社長か専務ぐらいにならないと難しいという声が多かったのです。

滝沢
会社の業績をすべて全体最適で評価するのだったら、会社全体の業績が上がればみんなが良くなり、突き詰めるとみんなの評価が同じになってしまいます。中にはそれでよいという意見もあり、難しい課題ですよね。

横田
現場自体が1つの事業所というお話が先ほどありましたが、だとすれば現場より上の階層の人たちから「うちはこういう考えで行く。これに協力することが君の評価につながる」と発言してくれると、下が動きやすく、ベクトルも向きやすくなるでしょう。

滝沢
そうですね。

 

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