古河電気工業インタビューその2|組織としての調達力を発揮するためには?

CPPホルダーの古河電気工業 近藤喬洋さん(財務・調達本部 資材部 調達戦略グループ 主任)を訪問しました。
日本能率協会の安部武一郎がインタビューします。(以下敬称略)

組織としての調達力を発揮するためには?

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(安部)
はじめに受験いただいた方の、当時の課題感はどのようなものだったのでしょうか。

(近藤)
実は、当時、特に課題とされていたのは、市況が上がっていたことなんです。

原油が、毎月のように上がっていく。サプライヤーは合従連衡やM&Aで少なくなる。調達への逆風は強まる一方でした。

そのような環境のなかで、当社は何年、あるいは何十年も、ずっと同じようなものを作り、同じようなものを買っていました。

個々のバイヤーの能力、目的意識は高いと思うのですが、一方で属人的であったと思います。
組織的、体系的、戦略的な調達に組織を変えていかないと、調達環境が悪くなる一方だという課題意識がありました。

自分達の立場、調達力が相対的に落ちていくという問題意識がありました。
だからサプライヤー評価もはじめましたし、開発購買にも力をいれました。

教育においては、体系的な一般知識を身につけて、組織の横のつながりも強化しようという発想になっていきました。

(安部)
CPPを活用いただいて、調達部門の外部からの見られ方に変化はありましたか?

(近藤)
社外へのアピールはだいたいできてきていると思うのですが、いまの課題は対社内だと感じています。

社内のコミュニケーションは、普段からとっていますし、調達は頼られる存在だと思っています。
ただ、例えば、取引先評価を例にとっていいますと、「調達はこの取引先にこう評価している」が、一方で「現場は異なる考えをもっている」という場合もあります。

そのようなコミュニケーションのギャップをうめるために、全社一体となる必要があると思います。
一枚岩で望まないといけないと考えるのですが、まだ一定のレベルに至ってないというのが現状認識です。これが我々の課題ですね。

「昔はこうだったけど、今はこうなのだ」という組織的な面での調達機能の説明が不十分だと感じています。
CPP資格をとった理由のひとつが、説明や説得力のアピールの看板として活かしたいという思いでした。

調達部門が担う役割の拡大と課題

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(安部)
最近のバイヤーの役割について、グローバル化も含めて社内外ともにどんどん広がってきていると思います。それにともなって調達部門の重要性も上がってきているのではないでしょうか?

(近藤)
確かに増していると思います。重要度や困難さが増しているとしても、その要素分解が、具体的にできていない状況だと思います。

例えば「調達=コスト・納期」になっていることが多いと思います。
コスト面や納期面で厳しい環境に直面して、考えるのをやめてしまうと、それは、例えば供給リスクを放置することになる場合もあります。そういった要素にまだ落とせていない。

あるいは、担当者によってばらつきがあることも挙げられます。

もちろん、体験があれば問題をばらせると思うのです。「考えるべきポイントはQ、C、Dなのか?それ以外なのか?」とか、「Dの中でもなんなのか?」「Cの中でもなんなのか?」とか。

調達機能の重要度は上がっていて、困難さは高まっているのだけれども、組織として共有や可視化は、理想のレベルにはいっていません。

「CPPが役にたつ」と、殊更に言うわけではありませんが(笑)、体験の有無にかかわらず、個人差をならし、全体の底上げをはかるためには、知識や共通言語は必要だと思います。

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